データサイエンス概論

データサイエンスを使って何ができる?概要と将来性についても解説します!

21世紀の石油ともいわれているデータ。

近年ではPCの性能向上に加えて、ディープラーニングや機械学習の技術も発達していることから、データの価値はますます重要になっています。

近年では、多くの事象がデータ化され『ビッグデータ』という単語を頻繁に聞くようになりました。

特に企業では、自社に蓄えられているデータをいかに有効活用するかが問われており、『データサイエンス』が重要となっています。

そもそもデータサイエンスって何のこと?

データサイエンスとはデータ収集や、データから利用価値の高い情報を抽出する原理と方法をまとめた用語です。

データサイエンスを利用することで、慣習や勘では解決できなかった問題解決の方法を、自動的に発見することができます。

 データ収集に関してはイメージしやすいと思います。

表に必要とするデータを入力すること、コンビニで購入した商品が自動的に集計されること、オンラインショップの販売履歴が保管されることなど、私たちの周りでデータ収集は行われています。

ただ、データサイエンスにおけるデータ収集では、可能な限り多くのパラメータについてデータを収集する必要があります。

例えば、コンビニでアイスクリームを買った人に対してデータを収集するならば、買った人の性別、年齢、一緒に買った商品に加えて、日付や地域、時間帯など思いつく全項目のデータを収集します。

次に情報の抽出原理と方法について紹介します。

情報の抽出は、傾向からデータパターンやモデルを作成することが最終的な目標です。情報の抽出ですが、これまでは統計学やスコアリングなどの手法が一般的でした。

近年では、コンピュータの性能が飛躍的に向上していることから、ディープラーニングや機械学習が注目されています。(むしろ最近のデータ分析方法はこちらの方が中心です)。

特にディープラーニングは人の脳細胞(ニューロン)を模したプログラムが、自動的に収集したデータを学習することで、人間では発見できなかったデータの傾向を見つけることができる方法です。

しかし、上記で紹介した事例はあくまで方法です。データを抽出した後は、パターンやモデルの評価と修正が必要です。

例えば、テストデータを使用して分析した結果が、作成したパターンと一致するか評価し、一致しない場合はデータの抽出方法を修正する必要があります。

 こんなに便利!データサイエンスでできることを紹介!

 データサイエンスの強みは、蓄積したデータの傾向を機械的に抽出できることにあります。

共通認識となっている常識の裏付けはもちろん、これまで人類が発見できなかった法則を見つけることも可能です。

通常、重要な決定事項ほど様々なステークホルダーを説得する必要がありますが、客観的な評価を用いず、全てのステークホルダーを説得することは困難です。

データサイエンスによって導き出した結果をもとに論理的に説得できれば、説得や意思決定の時間コストを削減できます。

例えばある工場において、製品の不良率に悩まされていると仮定します。

製品の不良を引き起こすパラメータが数十種類ある場合は、不良を引き起こすパラメータの組み合わせを、効率的に見つけることは困難です。

巨大な工場であれば、部署同士の調整も手間がかかるでしょう。

このような場合でも、製造時のデータさえあればディープラーニングや機械学習の技術を用いて、不良の原因を特定することが可能です。

 ほかにも、データサイエンスは私たちの身近な場所で利用されています。

例えば、Amazonのような巨大オンラインストアなら、購入履歴を分析してオススメ商品を提供することも行っていますし、YoutubeやGoogleなら検索結果から自動で関連項目を抽出してくれます。

このようにデータサイエンスによって傾向を抽出することで、利用者に快適なサービス提供が行われています。

データサイエンティストの仕事内容

 仕事内容は主にデータ収集、データパターンやモデルの作成、抽出したデータの評価と修正の3つです。

前の二つについては、上記でも説明してきましたが、注意が必要なのは評価と修正です。

データサイエンスの仕事は機械的に作業すれば良い訳ではなく、常に内容を吟味して、望ましい評価結果が得られない場合は、作業をやり直す必要があります。

ときには収集したデータ項目まで遡って、使用するデータの再検討や再収集が必要です。また、設定した評価方法が間違っていて、根本的に評価データを修正することもあり得ます。

多くの人が、データサイエンスの仕事フローは、プログラムやソフトウェア開発と同じと考えています。

つまり、最初に仕様の定義があって、各チームの担当分野と仕事の分担が行われ、コードの作成とデバッグやテストが終了さえすれば、仕事が終わるという流れです。

しかし実際は、データサイエンスは研究開発のフローに近く、分析対象について常に観察し、データを有効活用する方法を考える必要があります。

また、データサイエンティストは、分析する仕事自体に精通している必要があります。単にデータを分析するのではなく、仕事で有効活用できるパターンを作るための工夫や想像力が必要です。

これはデータ分析のみを目的とするデータアナリストとは根本的に異なります。

さらに、データサイエンティストの仕事の一つとして、マネジメントも重要です。

ビッグデータの解析作業は骨が折れる作業で、チームで行うことが一般的です。

データサイエンティストは職人のようなもので、優れた分析を行うには経験と訓練が必要だと言われています。

スキルレベルがバラバラな個人の特性に合わせて、仕事の調整や評価を行うためには、マネジメント力が欠かせません。 

あなたも勉強してみよう。ますます使われるデータサイエンス!

 データサイエンスは誕生して日が浅い分野ですが、重要度は日々高まっています。

世界をリードしているGAFAM(Google,Amazon,Facebook,Apple,Microsoft)では当然のようにデータサイエンスが利用されており、特にAmazonはデータサイエンスを積極的かつ効率的に利用することで、世界有数の大企業になりました。

 現在、膨大な収益を上げている企業のほとんどが、データサイエンスを積極的に活用してきた企業と言い換えても過言ではありません。

さらに、データサイエンスを利用する企業の生産価値は、データサイエンスを利用していない企業よりも、平均して5%高いとする研究結果もあります。

利益の追求が必要な企業にとって、データサイエンスは無視できない存在なのです。

インターネットに溢れるデータ量も増加しました。

特にSNSを利用した発言や画像、動画によるデータ量の膨張が起こっており、インターネット上に保管されている9割のデータが直近の5年間に作成されたとする調査結果もあります。

データが増加するにしたがって、データの傾向を見つけるデータサイエンスは増々注目されていきます。

 これまで数学やIT分野について勉強してこなかった方々も、データサイエンスについては学習が必須です。

何故ならば、企業の成長にデータサイエンスは不可欠なので、自分の部下がデータサイエンスに関する業務提案を行ってきた場合、データサイエンスについて検討・判断するタイミングがいずれ訪れるためです。

 そこで適切な判断を行えないと、自分が所属している企業は他者との競争に負ける可能性が高いですし、自分を適切に評価してくれないと感じた部下は会社を去ってしまいます。

このような事態にならないためにも、自分でデータサイエンスを行う必要はありませんが、内容の良し悪し程度は理解できるように勉強した方が無難です。

まとめ

大量のデータが溢れる昨今では、データを効率的に利用することが必要です。

コンピュータの性能が飛躍的に上昇したことで、積極的にデータサイエンスを用いて、莫大な利益を得ている企業もあります。

インターネット上のデータ量の増加に伴い、データサイエンスの重要性も年々上昇するでしょう。