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【基本情報技術者試験】科目Bの効果的な対策方法を解説!おすすめ参考書あり

基本技術者技術者試験科目Bの合格を目指す人には、下記のように思う方も多いのではないでしょうか。

  • プログラミングが苦手で、合格できる気がしない
  • 科目A試験はできたけど、科目B試験は難しい
  • 科目B試験の学習対策はどうしたらいい?

    今回は、基本情報技術者試験B試験が難しいと感じる理由を説明した上で、具体的な対策方法を解説します。科目Bの合格を目指す人や一度落ちてしまった方は、ぜひ最後までご覧ください。

    この記事を読んで分かること
    • 科目B試験について概要
    • 効率的に試験に合格するための、科目B試験の具体的な対策方法やオススメの参考書
    • 科目B試験に合格した後にするべきこと

    基本情報技術者試験の科目B試験について

    基本情報技術者試験の科目B試験は、科目A試験よりも難易度が高く、合格までの大きな壁になります。そこで対策が必要になりますが、その前に科目B試験についての詳細を知る必要があります。

    この章では、基本情報技術者試験の科目B試験について以下の項目で紹介します。

    • 科目B試験の形式と合格基準
    • 科目B試験の出題範囲
    • 科目B試験の合格率

    科目B試験の形式と合格基準

    科目B試験の出題は小問形式全20問で、試験時間は100分間です。また出題形式は多肢択一法で、科目Aと違い文章読解力が必要になります。

    試験の実施方法はCBT試験です。CBTとはコンピュータを使った試験方式のことを指します。大きなメリットとしては1年間を通じて好きな日時で受験できる上、試験会場も自由に選択できることです。今まで基本情報技術者試験は春と秋の年2回のみの開催でしたが、CBT方式によりいつでも受験可能になりました。

    • 試験時間 : 100分
    • 問題数 : 20問
    • 出題方式 : 多肢択一法
    • 実施方式 : CBT方式

    合格基準は1,000点満点中600点以上であり、採点はIRTに基づく方式で行われます。IRT方式とは、回答結果に基づいて配点を決める仕組みのことで、1問の配点がテストによって異なります。この仕組みの最大のメリットは試験の難易度により格差がなくなることです。

    • 合格基準 : 600点以上
    • 採点方式 : IRT方式

    科目B試験の出題範囲

    科目B試験の出題範囲は、「アルゴリズム・プログラミング」と「情報セキュリティ」の2つの分野で構成されています。配点は、「アルゴリズム・プログラミング」が20問中16問で「情報セキュリティ」が20問中4問です。

    ご覧の通り科目B試験の配点の8割が「アルゴリズム・プログラミング」が占めており、ITに関して実務経験がない方や未経験の方にとっては大きな壁となる分野になります。さらにこれらの分野は科目Aと違って暗記するだけでは合格が難しく、基本情報技術者の最難関分野の一つです。

    • アルゴリズム・プログラミング : 20問中16問
    • 情報セキュリティ : 20問中4問

    科目B試験の合格率

    科目B試験の出題範囲を知って落ち込んだ方は多いと思います。ですが、落ち込む必要はありません。というのも、科目B試験の合格率は約40%(令和3年度の春から令和5年の11月までのデータ)で非常に高い水準です。さらに、IT未経験者の合格率が60%(令和5年6月)を超えている年もあります。

    基本情報技術者試験B試験が難しいと感じる理由

    よく基本情報技術者試験は旧試験と比較して科目B試験は難しくなったという声が多くあります。そのように感じる理由は下記の2点です。

    • ①公式の過去問がない
    • ②出題内容が大幅に変更された

    ①公式の過去問がない

    1つ目の理由は公式の過去問がないからです。

    過去問対策を考える上で、特に課題となるのが科目Bの試験です。科目Bの出題傾向や内容が何度も変更されており、2023年4月からは大幅な変更が加えられ、これまでの試験とは異なる形式が導入されました。

    科目Bにおいては、2020年からコンピュータを用いたCBT方式が採用され、それに伴い公式ウェブサイトでも過去問が非公開となりました。したがって、2023年4月以降の新方式科目Bの試験に関しては、過去問が一切存在しない状況となっています。

    このような状況下で過去問対策を行うことは非常に難しいと言えます。過去問が存在しないため、通常の対策手法が適用しづらく、新しい形式に対応するスキルや戦略が求められるでしょう。

    ②出題内容が大幅に変更された

    2つ目の理由は出題内容が大幅に変更されたからです。

    基本情報技術者試験は、2023年4月から制度が変更され出題形式や出題範囲が大きく変わりました。これまでの基本情報技術者試験において選択問題として出題されていたプログラム言語は廃止され、代わりに「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(疑似言語)」の2つに集約されました。

    これに伴い、出題の割合も「アルゴリズムとプログラミング」が8割(16問)、「情報セキュリティ」が2割(4問)となる形で変更されました。出題範囲が狭く限定的になったことで勉強範囲は減りますが、内容が難しい分野の出題のため入念な対策が必要になります。

    基本情報技術者試験科目Bの対策方法

    難しい理由を理解した上で、試験合格には入念な準備が必要になってきます。そこで、科目Bの対策方法を紹介します。

    • ①トレースに慣れる
    • ②読解力を身につける
    • ③簡単な分野を確実に正解する

    ①トレースに慣れる

    1つ目はトレースに慣れることです。

    初学者には聞きなれない言葉だと思いますがトレースとはプログラムの処理の流れを書き出しながら追跡することです。科目B試験では、擬似言語を用いたプログラムの問題が頻繁に出題されます。このため、トレースに慣れることは問題を正しく理解し、適切な解答を導くために必要なスキルとなります。

    トレースに慣れるためには、過去問やサンプル問題を繰り返し解くことがおすすめです。これによって、プログラムの動きを頭の中で具体的にイメージできるようになります。また、プログラミングの基礎知識やアルゴリズムの理解も欠かせません。

    したがって、トレースに慣れるためのスキルを身につけるには、定期的に問題を解くことと同時に、プログラミングの基礎的な知識やアルゴリズムに対する理解を深めていくことが重要です。

    トレース対策にオススメの参考書

    引用:Amazon

    参考書には問題そのものではなく解説の部分が非常に価値があります。参考書の解説を活用して効果的な解法を学ぶことが必要です。アルゴリズムにおけるトレースは必須のテクニックであり、初学者の方は是非参考書を購入してマスターしてください。

    なお、オススメの参考書は橋本祐史『情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]』(翔泳社)です。

    こちらの参考書は充実した解説が特徴的で、基本情報の初学者でも読みやすいです。トレースというテクニックが一体何なのか理解していなくても、解説が非常にわかりやすく、重要なポイントを的確に押さえているおかげで、効果的に理解することができます。

    参考書を読み終えたらサンプル問題を解く

    トレース対策のための参考書を読んだ後は、実践的に問題を解いていく必要があります。どれだけ参考書で要点を理解したとしても実践形式の問題を解けない限り合格に近づくことはありません。

    なお、サンプル問題はIPA独立行政法人の公式問題を使えば問題ありません。

    おすすめのサンプル問題

    ②読解力を身につける

    2つ目は読解力を身につけることです。

    科目B試験は科目A試験と違い、長い問題文を正確に理解する必要があります。このため、読解力が求められます。科目Bに必要な読解力を向上させるためには、サンプル問題や市販の予想問題などで長文問題に慣れていきましょう。

    また用語の理解力も必要になります。もし、科目Bの対策時に分からない単語が出てきた時は科目A試験の対策が不十分なので、もう一度科目Aを学習するべきです。焦って対策するとかえって遠回りなります。順番に片付けるのがいちばんの近道ですよ。

    読解力を身につけるためにはサンプル問題を解く

    引用:Amazon

    長い問題文を正確に理解する読解力を身につけるためには、実際の問題を解いていくのが一番効率的です。実際の問題は先ほど紹介したIPA独立行政法人の公式問題を使えば問題ありません。

    ただ、サンプル問題を全て解き終えたという人は『基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集』で対策するのがおすすめです。

    読解力を身につける
    • サンプル問題を解く
    • 市販の過去問を購入する

    ③簡単な分野を確実に正解する

    3つ目は簡単な分野を確実に正解することです。

    科目B試験では「データ構造及びアルゴリズム(疑似言語)」が配点が高く勉強に重点を置きがちですが、「情報セキュリティ」で点数を取ることは非常に大切になります。というのも、「情報セキュリティ」は「データ構造及びアルゴリズム(疑似言語)」と対策するだけで点数が取りやすい分野になっています。

    その為、「情報セキュリティ」は満点を取る気持ちで対策するにが合格するために必要な対策です。以下の記事では基本情報技術者試験を独学で合格する勉強法を紹介していますので合わせてご覧ください。

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    基本情報技術者科目B試験を合格した後について

    科目B試験の対策方法が理解でき、基本情報技術者試験を本格的に始めようと考えたけど、基本情報技術者試験を取得するメリットについて改めて考え直す人は多いはず。取得するメリットは以下の通りです。

    • IT全般の知識を体系的に学べる
    • IT系の就活や転職に有利になる

    前者に関しては、基本情報を取得する過程で確実に身につけることが可能です。ただ、後者に関しては基本情報を取得したからといってその恩恵を受けられることは少ないでしょう。

    では、基本情報取得後にキャリアアップなどに繋げるためにはどうしたら良いのかをこの章で解説します。具体的には下記の通りです。

    • 応用情報技術者の取得を目指す
    • 実務経験を身につける

    1つずつ詳しく解説していきます。

    応用情報技術者の取得を目指す

    1つ目は応用情報技術者の取得を目指すです。

    応用情報技術者の取得を目指す理由
    • ITの知識が幅広く身につけることができる
    • 就職や転職で有利に働く
    • 会社によっては資格手当が発生する

    応用情報技術者を取得する最大のメリットはITエンジニアとしてのレベルアップやキャリアアップにつながることです。

    ただ、応用情報技術者は難しいと構えてしまう人も多いはず。しかし、基本情報技術者試験を合格している人にとってそんなに難しくありません。というのも、応用情報技術者試験は名前の通りで応用力が必要になる試験になります。そのため、新しい知識が必要になるというよりも、基本情報技術者で勉強した分野の深掘りになります。

    確かに応用情報技術者の合格率は20%前後と低く、簡単な試験ではありません。ですが、応用情報技術者は受験資格がないので誰でも受験することができます。そのため、ただ合格率を鵜呑みにして難易度が高い試験だと競う必要はありません。基本情報技術者で学んだことを土台にしながら学習を進めれば、十分に合格を目指すことができます。

    実務経験を身につける

    2つ目は実務経験を身につけるです。

    基本情報技術者試験は、プログラミングの基礎的な知識やスキルを計る試験です。しかし、それだけではITエンジニアとしての実力は十分とはいえません。実務経験を身につけることで、より高度なITの知識やスキルを習得し、ITエンジニアとしてのキャリアアップを目指すことができます。

    実務経験を身につける方法
    • 大学生の場合 : インターンシップに参加する
    • >社会人の場合 : クラウドソーシング等で案件を受ける

    他にも、難易度が高いですが、IT関連のプログラムやアプリを自分で作ってみることも立派な実務経験になります。

    実務経験を身につけるときに大切なことは、完璧を求めないことです。どんなITサービスもリリース当初は不完全で何度もメンテナンスを繰り返して完璧に近づいていきます。それは実務経験を身につけるときも同じです。インターンシップに参加するでもクラウドソーシング等で案件を受ける時も、完璧を求めずに完成を目指すことが大切になります。

    まとめ

    この記事では、基本情報技術者試験の科目Bの対策方法について詳しく紹介しました。

    • トレースに慣れること
    • 読解力を身につけること
    • 簡単な分野を確実に正解すること

    科目A試験は暗記特化で対応できますが、科目B試験は上記のような対策が必要になってきます。合格率は40%以上と高い水位を保っているのは事実ですが、対策方法を間違えてしまうと合格までは遠いでしょう。

    この記事を参考にして科目Bの対策を進めることで、合格に近づくことができるので、何度も読み直しながら対策を進めていきましょう。