Pythonでブロックチェーンを開発できることはご存じでしたか?
「ブロックチェーンに興味はあるけれど、そもそも仕組みをしらない」
「Python を学んでブロックチェーンを開発したいが、何から始めればいいかわからない」
といった方向けに、ブロックチェーンの概要から Python で開発するために必要な知識についてお伝えします。おすすめの書籍や動画も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Pythonで開発できるブロックチェーンとは
進化を続けるIT業界は、ブロックチェーンの登場で更なる革新が起こっています。ビットコインに代表される仮想通貨を支えているブロックチェーンの技術。
実は個人でもブロックチェーンを開発することが可能です。開発を始める前に、まずはブロックチェーンとは何かを押さえておきましょう。
そもそもブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、正確に取引履歴を維持できる技術です。なぜなら取引履歴が暗号技術によって、一本の鎖のようにつなげられているからです。
取引データはブロックとも呼ばれており、 ブロックには複数のデータがひとまとまりになっています。ブロックを要約したデータを次のブロックにも格納することで、全体の整合性が取られています。
ブロックチェーンの特徴は、特定のコンピューターやサーバーで管理されていないことです。複数のコンピューターによって分散管理がおこなわれています。同じブロックチェーンのデータを何台かのコンピューターで共有するこの仕組みをP2Pネットワークと呼びます。
P2P方式を採用しているブロックチェーンのメリットは以下の3つです。
- 復元能力が高い
- セキュリティが高い
- 低コスト
順に確認しましょう。
メリット① 復元能力が高い
ブロックチェーンは分散システムのひとつであるP2Pネットワークによって成り立っています。データを分散して管理しているため、インターネット障害やサイバー攻撃への耐性があります。
攻撃があった場合でも、他のコンピューターに保存されているデータによって元通りに復元が可能です。
メリット② セキュリティが高い
ブロックチェーンのセキュリティの高さは、改ざんへの耐性が強いことからきています。ブロックチェーンに含まれるブロックのデータが改ざんされたとしましょう。
ブロックチェーンはブロックの並びによって成り立っているため、改ざんがあると関連する他のデータも変わってしまいます。つまり、同時に多くのコンピューターで共有されているデータも変更されるため、改ざんが見つかりやすいということです。
完全にブロックチェーンのデータを改ざんするには、連なった全てのデータを書き換える必要があり、セキュリティの高さが伺えますね 。
メリット③ 低コスト
ブロックチェーンのセキュリティの高さは、コストパフォーマンスが良いと言えます。なぜならブロックチェーンと同じレベルのセキュリティを従来のシステムで実現するには、膨大なコストがかかるからです。
ブロックチェーンであれば、国や地域に縛られず高い技術を低コストで使うことができます。
システム障害で停止する可能性が低く、サーバー攻撃でもデータの破壊・改ざんが困難なブロックチェーン。仮想通貨に代表されるように、銀行のシステムに大きな変化をもたらしています。
ブロックチェーンの種類とPythonにできること
ブロックチェーンには種類が3つあります
- パブリックチェーン
- プライベートチェーン
- コンソーシアムチェーン
それぞれの特徴を説明していきます。
① パブリックチェーン
ビットコインをはじめとした仮想通貨で使用されているのがパブリックチェーンです。パブリックチェーンは誰もが参加可能なネットワークを有しています。
管理者がおらず特定の人に権限が集中しないため、参加者に制限のない透明性・公共性が高いことが長所です。一方で、取引の承認に時間がかかったり、ブロックチェーン全体のデータ容量が増え続けてしまったりといった短所もあります。
② プライベートチェーン
プライベートチェーンでは、パブリックチェーンと異なりネットワークへの参加に特定の組織や個人の承認が必要です。 管理者の独断で仕様の変更も可能であり、 公共性・透明性は低いと言えます。
しかし、参加者が限られているため、取引の承認がスムーズにおこなえることがメリットです。
③ コンソーシアムチェーン
パブリックチェーンとプライベートチェーンの間に位置するのがコンソーシアムチェーンです。限定されたユーザーが使用でき、複数の団体や個人が管理者となっています。
パブリックチェーンほど参加者が多くないため、スピード感のある合意形成が可能です。また、プライベートチェーンのように単独でのルールの書き換えはできませんので、ある程度の公共性・透明性を備えています。
ブロックチェーンの特徴やメリット、種類といった基本的な内容を紹介してきました。では具体的に、Pythonでは何ができるのでしょうか。
Pythonを使用することで仮想通貨を開発することができます。そのためには、ブロックチェーンを構成する3つの技術であるハッシュやP2Pネットワーク、コンセンサスアルゴリズムの知識を習得しなければいけません。
ブロックチェーンPythonで開発するために必要な知識
ブロックチェーンを開発するために必要な周辺知識は何でしょうか。また、Pythonのスキルはどのくらい必要なのでしょうか。独学で学びたい人向けにおすすめの書籍も紹介します。
ブロックチェーンを理解するために押さえておきたい三つの技術
ブロックチェーンを理解するために次の3つの技術を学んでおきましょう。
- ハッシュ
- P2Pネットワーク
- コンセンサスアルゴリズム
上記の3つの技術がブロックチェーンを構成しています。順番に解説します。
① ハッシュ
ハッシュとはデータの特定に優れた暗号技術のこと。ハッシュ関数と言う計算式により入力されたデータ固有のハッシュ値が求められます。
ハッシュ値は元のデータの長さにかかわらず、必ず同じ値を返します。 そのためハッシュ値はIDとして機能し、データの改ざんや破損を瞬時に検出するのです。
ブロックチェーンのセキュリティの高さはハッシュの 特性によるものです。
② P2Pネットワーク
ブロックチェーンのネットワークにはP2方式が採用されています。P2PとはPeer to Peerの略です。Peerには「友達」、「仲間」という意味があります。
P2Pネットワークでは、参加しているコンピューターそれぞれが同等の役割を持っていて、複数のコンピューター間で対等に通信がおこなわれます。
システムが分散されていることで、一部のコンピューターがダウンした場合でもシステム全体は止まりません。P2Pネットワークによってブロックチェーンは、安価でセキュリティの高い非中央集権的なシステムとなっています。
③ コンセンサスアルゴリズム
「合意形成アルゴリズム」や「合意形成」とも呼ばれるコンセンサスアルゴリズム。コンセンサスアルゴリズムは、ブロックチェーンに参加する不特定多数のユーザー間で正しく合意形成をする仕組みのことです。
ブロックチェーン開発にあたって求められるPythonのスキル
Pythonでブロックチェーンを開発するには、基本文法の他に次のようなスキルが必要です。
- クラスの定義
- ハッシュの定義
- トランザクションの定義
高度な技術が必要となりますので、独学で始める際は基礎からしっかり学びましょう。
Pythonを使ったブロックチェーン開発におすすめの本3選
独学でPythonを学びブロックチェーンを開発したい人向けに、おすすめの本を3冊紹介します。どれも初心者が学ぶための良書です。気になったものがあれば、是非手に取ってみてくださいね。
『ブロックチェーン・レボリューション』

2016年発刊の本書は、当時の現状と課題に触れています。ブロックチェーンの具体的な導入例が紹介されているだけでなく、技術的な問題点にも触れており、ブロックチェーンの 光と闇を解説した定番の1冊。
424ページとボリュームがありますが、ブロックチェーンが世界を大きく変える技術であることがわかるでしょう。
『入門 サイバーセキュリティ 理論と実験』

暗号技術とネットワークセキュリティの両面からサイバーセキュリティについて学べる1冊。Python を始めとしたプログラミング言語によるセキュリティ実験について、コード例も掲載されています。
『Pythonで動かして学ぶ!あたらしいブロックチェーンの教科書』

引用元:『Pythonで動かして学ぶ!あたらしいブロックチェーンの教科書』
ブロックチェーンとPythonの基礎知識を押さえているだけでなく、実際にブロックチェーンのプログラムを作成できる本書。Pythonでブロックチェーンを開発したいと考えてる人にとっては、是非とも読んでおきたい1冊です。
実際にPythonでブロックチェーンを開発しよう!
Python とブロックチェーンの基本的な知識を学んだ後は、実際に開発に移りましょう。大まかな流れを解説していきます。
Python でブロックチェーンを開発する前に環境を構築しよう
はじめにPythonの開発環境を整えましょう。環境構築の方法は下記の通り3つ。
①公式サイトからインストール
②パッケージでインストール
③クラウド環境を導入
今回は、オーソドックスな「①公式サイトからインストール」について紹介します。
①公式サイトからインストール
まずは、公式サイトへアクセス。ダウンロードボタンを押し、PCのOSに合わせてインストーラーをダウンロードしてください。インストーラーを実行して完了です。

引用元:Python公式サイト
Python でブロックチェーンを開発する流れ
ブロックチェーンを開発するには以下のような手順が必要です。
①ブロックチェーンの作成
②ウォレットの作成
③ API の統合
④ブロックチェーンネットワークの構築
どれも初心者には難しい内容ですので、 書籍や動画学習サイトを見ながら開発することをお勧めします。特におすすめなのはudemyのこちらの講座。

「現役シリコンバレーエンジニアが教えるPythonで始めるスクラッチからのブロックチェーン開発入門」
アメリカシリコンバレーの現役エンジニアがPythonによるブロックチェーン開発を解説してくれます。
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