データサイエンス概論

データサイエンスの活用法とは?意味や事例を紹介

最近、データサイエンスという言葉を耳にしますが、

・データサイエンスってそもそも何?

・データサイエンスは何に使われているの?

このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、データサイエンスの意味や具体的な活用事例を紹介しています。

本記事を読めば、データサイエンスについて詳しく知ることができます。

データサイエンスに興味がある方はぜひお読みください。

データサイエンスとは

引用:DENTSU DIGTAL

データサイエンスの定義は、以下の通りです。

データに対して情報科学,統計学,アルゴリズムなど を横断的に用いることで,新たな科学的・社会的に 有益な知見を引き出そうとするアプローチ

図のように、データサイエンスでは、「プログラミング力」「数学力」「ビジネス力」を基盤とした、分野に囚われない超領域性が求められます。

次に、データサイエンスの基盤となる「プログラミング力」「数学力」「ビジネス力」をより細かく解説していきます。

データサイエンスにおけるプログラミング力

データサイエンスでは、データの統計や分析、運用、管理を行うため、プログラミング言語を利用する必要があります。

特にデータサイエンスに特化しているプログラミング言語は、「Python」「R言語」です。

Pythonの特徴

Pythonは、汎用性が高いプログラミング言語で、機械学習やAI開発といった分野で利用され、近年注目を集めています。

「汎用性の高さ」と、他のプログラミング言語と比べて学習の容易さ」により、多くの方が学習・利用しているプログラミング言語です。

R言語の特徴

R言語は、データサイエンスの統計解析のタイミングで利用することが多いプログラミング言語です。

データサイエンスで利用するデータを処理し、数値をグラフ化など可視化することが可能です。

本Blogを運営するプログラミングの家庭教師Tech Teacherは、完全個別指導のデータサイエンス講座を設けています。

「Python」「R言語」「MATLAB」など幅広い言語を指導しています。

教師は東京大学を始めとする難関大学の理系学生・院生・博士が多く在籍しており、専門的な課題にも対応が可能です。

また、担任教師が課題・習熟度に合わせてフルオーダーメイドで授業を設計するので無駄のない指導を受けることができます。

  • 基礎から丁寧に学びたい
  • 効率的に課題を進めたい
  • 仕事と勉強の両立がしたい
  • 勉強法などのアドバイスが欲しい

データサイエンスを学習していて、このような希望をお持ちの方はぜひプログラミングの家庭教師『Tech Teacher』にご相談ください。

データサイエンスにおける数学力

データサイエンスに必要な数学の分野として、

  • 確率・統計学
  • 線形代数
  • 微分積分
  • 最適化理論

が挙げられます。

①確率・統計学

確率・統計学は、データの持つ性質を調べて、活用目的に応じてデータを分析するときに使われる学問です。

大量のデータを扱いやすく分類整理することはデータサイエンスにとっては最重要なプロセスとなり、確率・統計の数学知識は必須のものとなります。

「回帰分析」「クラスタリング」「アソシエーション分析」などがこの分野に含まれます。

②線形代数

線形代数の中でも、特に「行列」が重要となってきます。

行列とは「同一の性質を持つ情報の要素を縦×横に並べたもの」です。

データの取り扱いが意味のあるかたまりとして表現できるので取り扱いが用意になり、数値化することで機械(コンピュータ)が計算できるようになるのです。

③微分積分

微分積分を理解できていれば、機械学習において「ある値が最小(最大)になる部分を計算することができる」様になります。

微分とは、現在の状況がどのくらいの速さで変化をしているのか、または変化をしていないのか、を数値化して表現することができます。

このことを利用して、将来どのような変化をしてどのような数値になるのか、最小の値、最大の値はどの様になるのか、を詳細に予測することができます。

モデルを作成において最小と最大が求めることが強いモデルを作成できることに繋がります。

④最適化理論

最適化とは、制約がある中で、複数の選択肢の中から一番効果の高い組み合わせを決めることです

例として、最適化理論として有名な「ナップザック問題」があります。

「容量の決まっているナップザックに、値段の違ういくつかの品物を詰め込み、その価値を最大化する」という最適化問題です。

最適化理論を学ぶことで、分析したデータから、限られたリソースを用いて、最大の売上を得る(生産計画問題)方法を定量的に考えることができます。

データサイエンスにおけるビジネス力

ビジネス力とは、「課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力」ということを意味しています。

ビジネス力には、資料を論理立ててまとめ、分かりやすくプレゼンできるような「論理的思考力」や、法令やビジネス上の倫理を理解している「行動規範」が求められます。

このような基礎的なスキルに加えて、「マーケティング視点」、「経営者視点」で物事を見られるスキル」も重要となってきます。

データサイエンテイストは、理系の職業であり、ビジネスとは距離のあるものと捉えている方も多いかもしれません。

しかし、この「ビジネス力」こそが、文系・理系問わずにデータサイエンスのスキルの中でコアとされています。

データサイエンスの目的

データサイエンスを行う基本的な目的は、データ分析に処理された情報をもとに新たな技術や今ある技術を進化させることです。

そのため、データサイエンスの精度が高まれば、結果的に新たな技術が普及する可能性が高くなり、多くの方が生活しやすい環境の構築を行えるようになります。

プログラミングの家庭教師Tech Teacherは、完全個別指導のデータサイエンス講座を設けています。

「Python」「R言語」「MATLAB」を学習し、データサイエンティストにプログラミングスキルを磨くことができます。

教師は東京大学を始めとする難関大学の理系学生・院生・博士が多く在籍しており、専門的な課題にも対応が可能です。

また、担任教師が課題・習熟度に合わせてフルオーダーメイドで授業を設計するので無駄のない指導を受けることができます。

  • 基礎から丁寧に学びたい
  • 効率的に課題を進めたい
  • 仕事と勉強の両立がしたい
  • 勉強法などのアドバイスが欲しい

データサイエンスを学習していて、このような希望をお持ちの方はぜひプログラミングの家庭教師『Tech Teacher』にご相談ください。

データサイエンスが活用された事例

データサイエンスを活用する人

データサイエンが実際に活用された事例を紹介していきます。

例を見ることで、データサイエンスをより身近に感じていただけると思います。

フードロスの削減と利益の向上

回転すしチェーン「スシロー」は年間約10億件ものデータを集め、事業に役立てました。

「スシロー」は、皿にICチップを取り付けることで、「ネタの人気度」や、「どのすしがいつレーンに載ったか」「いつ客に取られたかといった」情報を収集しました。

そして、顧客の食欲を読む優秀な店長の「勘」と「経験」をシステム化し、1分後と15分後に必要な握りネタと数を常に予測することに成功しました。

その結果、廃棄ロスが75%削減となり、フードロスの削減と大幅な利益の向上に役立ちました。

スポーツ業界で編成・育成・戦術へ貢献

現代では、プロ・アマ問わずに、幅広い競技でデータが活用が進んでいます。

そんな中、プロ野球チームの「横浜ベイスターズ」では、データサイエンティストを募集しています。

プログラミング言語(Python、Rなど)を用いた分析などを用いて、

  • データを活用した試合戦術の提案や選手の状態管理を行い、監督、コーチングスタッフの試合戦術策定、および起用法策定の支援
  • スカウティングのクオリティーコントロールに資するスカウティングレポート分析やデータの提供を行い、スカウティングを支援 
  • 精度の高い戦力予測精度モデルの構築、運用を実施し、編成の意思決定を支援 
  • コーチングスタッフ、チームスタッフ、選手のデータリテラシー向上のための施策立案、および実行 ・データを活用したプロアマ国際選手評価の意見表明 
  • 選手のスキルを評価する指標を策定し、その指標を定常的に確認できる環境作りを行い、選手育成を支援

などを行い、編成」・「育成」・「戦術」へ貢献しています。

気候変動が農作物生産性を与える影響の研究

名古屋大学では、データサイエンスを活用して、「気候変動が農作物生産性を与える影響」について研究しています。

気候変動が農業の生産性に及ぼす影響を明らかにするために、候・水・土・作物の特性などのデータを使っています

また、予測モデルを作成し、プログラミング技術やビッグデータの多角的な分析により、気候変動や食料政策などの課題解決を考えています。

    ゲームのテストプレイ

    ゲーム開発の際に、従来ではバグやゲームの問題点を見つけるため多くの時間を費やしていました。

    しかし、データサイエンスの機械学習を活用することで人工知能が自動的にゲームをプレイし、バグやゲームの問題点を見つけられるようになりました。

    そして、ゲームのテストプレイに費やす時間の短縮に成功しています。

    製造の異常検知

    製造のラインにカメラを設置することで異物や異常が発生した際に検知するシステムの導入が製造業で行われています。

    この異常を検知するカメラには、データサイエンスのデータ分析と機械学習をもとに作成されたシステムを利用しています。

    従来までは人の目で確認していたため、取り残しなどがありましたが、データサイエンスの活用により取り残しなどが減少しています。

    医療のレントゲン・MRI

    医療のレントゲン・MRIの画像検査にデータサイエンスが利用されています。

    今まで集めた画像データを機械学習によって取り込むことで腫瘍などの異常を医師と機械の2段階で確認できるようになりました。

    そのため、従来では見落としてしまっていたものも減少し、がん腫瘍の早期発見などに貢献しています。

    物流サービスの業務効率化

    物流サービスの配送の際、データサイエンスによるデータ分析によって導き出されたルートを通ることで効率よく配送ができるようになりました。

    その結果、ガソリン代などのさまざまなコストの削減につながりました。

    また、最適なルートを通るため、無駄がなく生産性も高まり企業の売上アップにもつながっています。

    データサイエンティストの仕事

    データサイエンスは、膨大なデータを分析、処理する必要があるため、正しい手順で行うことが重要です。データサイエンスは以下の方法で行われます。

    データサイエンスの業務は以下の流れで行われます。

    1. 課題の把握と分析目標の設定
    2. 解析・分析を行うデータの準備・取得
    3. データ分析の仮説を立てる
    4. データ分析の実施
    5. 評価レポート作成
    6. 意思決定

      それぞれ簡単に解説していきます。

      ①課題の把握と分析目標の設定

      データサイエンス業務は、顧客や自組織の課題を把握することから始まります。

      例えば

      あるアプリにおいて、新たな機能をリリースした時に、利用率が減少してしまった。

      「この機能が本当に不適切なものだったのか?」「機能を停止するべきか?」判断できない

      といった課題を把握します。

      そして、この課題に対して、データ分析をすることが解決に繋がりそうか判断する必要があります。

      そして、

      機能が不適切で、利用者数が減ってしまったのか

      感染症など他の要因によって利用率が減少したが、新たな機能自体は効果があったのか

      などを判断するのがデータ分析の目標です。

      ②解析・分析を行うデータの準備・取得

      課題の把握と分析目標を設定したら、データサイエンスで解析・分析を行うデータの準備・取得を行います。

      顧客もしくは、自組織でデータ分析をする際に、集めたデータ全てがデータ分析に利用できるとは限りません

      法律や契約などで利用が制限されていたり、機会が読み取れるように整備されていないデータを吟味し、扱いやすいデータに変換します。

      また、データが不十分な場合は統計的手法や分析モデルを使えば補えるかも判断します。

      この工程では質の高いデータを準備することを心がけるようにしましょう。

      ③データ分析の仮説を立てる

      「このデータを、この方法・手順で分析すれば、このような発見ができるはず」という仮説を立てます。

      例えば、

      ある期間、アイスクリームの売り上げが急増した。

      これは「自社のキャンペーンが上手くいったのか」、「気温や天候によるものなのか」あるいは「有名人がSNSに載せていたからなのか」

      などの理由を多く考えます。

      また、データAとデータBの関係を見れば「自社のキャンペーンが上手くいった」という因果関係が分かるだろうという仮説を立てます。

      この仮説を検証するために、データ分析を行うので、非常に重要な工程となります。

      ④データ分析の実施

      データ分析ツールを使って、平均値、中央値、分散などの基本統計量を手に入れます。

      さらに、分析ツールに手を加え、相関関係などを導くことで、「因果推論」や「将来の予測」、「仮想シュミレーション」が可能となります。

      そして、データを分析しやすい形へ可視化し、統計学や機械学習などの手法を活用し、モデリングを行います。

      ⑤評価・レポート作成

      データサイエンス業務の最終段階として、分析モデルや分析結果がビジネスに適用できるか評価を行います。

      評価とは、「どのような結果が得られたか」、「結果を導き出すためのプロセスは妥当なものだったのか」などについて検証します。

      評価が完了したらデータサイエンスの結果のレポートを作成します。

      レポート作成の際には、データサイエンスの結果がどのようなことに活用できるのか明確に記載することが重要です。

      ⑥意思決定

      ここまでの全ての手順が完了したら、意思決定を行います。

      意思決定では、データサイエンスによって分析した成果をどのように活用するか決定します。

      データサイエンスの結果がとても良いものだったとしても意思決定がずれてしまうと、データサイエンスをうまく活用できなくなってしまうため、注意しましょう。