Data Science|Basics

データサイエンスに役立つツールはどれ?特徴や選び方を紹介します

1.データサイエンスツールとは

データサイエンスとは、さまざまなデータを集め、統計学や数学などを用いてそのデータから何がわかるか・新たな知見の発見はあるか?といったことを解明するための手法を指します。

よく知られている例として、IoTや人工知能などが挙げられます。IoTも人工知能もともに、膨大なデータを収集・解析し、新たな知見を発見しています。

また、企業の課題発見にも用いられており、業務効率化・コスト削減といった活用方法もあります。

このようにデータサイエンスを活用する場で、データサイエンスツールは用いられます。

データサイエンスツールでは、収集したデータの分析や可視化、統計学的仮説検定、予測モデルの作成などを行うことができます。

データサイエンスツールには、有料・無料合わせていくつか種類があります。

有料のデータサイエンスツール

有料のデータサイエンスツールには以下のツールがあります。

  • Tableau:初心者でも直感的に扱うことができ、サポートも充実
  • Yellowfin:デザイン性が高く、導入が簡単。分析の自動化も可能
  • Microsoft Power BI:分析の大半を自動化可能。Microsoft社製品のデータと連携可能
  • Domo:社内のあらゆるデータを1つにまとめ、1元管理が可能
  • MotionBoard:Excelデータを分析可能、あらゆるデータソースと接続可能
  • Sales Analytics:レポート業務特化、データマイニングやシュミレーション機能はなし
  • Qlik Sense:簡便な操作性、AI搭載で担当者の気づかない関係性を見つけ出せる

無料のデータサイエンスツール

無料のデータサイエンスツールには以下のツールがあります。

  • Pentaho 多種多様なレポート機能
  • Metabase シンプルにデータを可視化可能
  • Microsoft Power BI モバイルやwebからも使用可能
  • Google Data Studio ドラッグアンドドロップでレポート作成可能

データサイエンスツールの選び方

有料・無料問わず、データサイエンスツールにはいくつもの種類がありますが、まずは「データサイエンスツールにお金を支払うことができるか?」で有料・無料を決めるのが1つの方法だと言えます。

有料版を使用する場合には、

  • 目的に応じた結果を得られるか?
  • 操作性は簡便か?
  • 費用対効果は問題ないか?
  • サポートは充実しているか?

といった点を踏まえて、データサイエンスツールを選ぶことがおすすめです。

意外と見落としがちなのが、費用対効果についてです。

導入時の初期費用には注目しやすいですが、それ以降のランニングコストも踏まえて考える必要があります。

2.データサイエンスを扱う仕事

データサイエンスツールが行うのは、あくまでも分析結果の表示・グラフなどの可視化までです。

その分析結果を活用して、意思決定を行なったり、新たな知見を発見するのは、データサイエンスの専門家です。

また、分析結果を誤って活用してしまうケースもあるため、分析結果の解釈はデータサイエンスの専門家に任せるのが適していると言えます。

人工知能の技術発達も同様に、予測モデルを作ることはできますが、予測モデルを作るためのデータを定義したり、収集する際にはデータサイエンスの専門家が必要ですね。

データサイエンスの将来性

データサイエンスは将来的に需要の高い分野と言えます。

実際、総務省が社会人のためのデータサイエンス入門という講座を開校しています。また、横浜市立大学では、2018年にデータサイエンス学部が新設されました。2023年には一橋大学でもデータサイエンス学部が新設されます。

このように、今後国内においてデータサイエンスの需要が高まることが予想できますね

国内では、データサイエンスを専門の職業としているわけではなく、エンジニアがプログラミングの技術を活用して、データ収集・加工・分析を行なっているケースが多いです。

国内と国外で比較してみると、特に国外ではデータサイエンスを専門とする職業の需要が高いとされています。

アメリカの優れた職種TOP50では、データサイエンティストが第3位にランクインしています。また、データサイエンティストとして働いている人たちの満足度は5段階中4.0という結果になっており、アメリカではデータサイエンティストの仕事は人気があると言えますね。

データサイエンスの独学方法

データサイエンスを独学で行う場合には、プログラミング言語の知識が必要となります。

これは、エンジニアがプログラミング技術を活用して、データ分析を行なっていることが背景となっています。特にデータサイエンスを得意とするPythonやRといったプログラミング言語の習得は必要と言えます。

PythonやRを使うことで、データサイエンスツールと同様のことを行うことができます。

Pythonを使った可視化の例

※筆者作成

データサイエンスを行う上では統計学の知識も必要となるため、推測統計学やベイズ統計学の知識は学んでおくことをおすすめします。

また、データサイエンティスト協会によると、データサイエンスを専門とする人材に求められる能力として、プログラミング能力のほかにマーケティング能力も挙げられているため、そういった分野の知識も必要になります。

データサイエンティストを目指すには

データサイエンティストを目指すには、エンジニアとして学びつつ、Kaggleや実務などで実績を積む必要があります。

Kaggleはデータサイエンスに必要な機械学習などに関わる人たちのコミュニティです。Kaggleではコンペも開催されており、コンペで上位入賞すれば、データサイエンティストとしての道も拓けます。

また、データサイエンスに関連する資格を取得するのもおすすめです。

例えば、

  • 統計検定
  • G検定
  • pyhton3エンジニア認定データ分析試験
  • 基本情報処理技術者試験

などが挙げられます。

資格取得と並行して、サンプルデータを用いて実際に分析も行なってみるのもおすすめです。

現在、社会に出て働いている方であれば、ご自身の会社の課題解決を行なってみるのも1つの方法です。データ収集・分析を行うことで、データサイエンティストとして認められるケースもあります

実際に、病院で働いている医療専門職が看護師の忙しさをデータとして収集し、可視化・改善案の提出を行なった結果、病院運営にデータサイエンティストとして加わることができたという事例があります。

まとめ

データサイエンスツールは多数用意されていますが、分析結果を解釈するには、データサイエンスの専門家が必要と言えます。

データサイエンスツールはあくまでも手段であるため、ご自身の目的に合わせて選択することが大切になります。

また、今後もデータサイエンスの需要は高まることが予想されるため、ぜひ独学でもデータサイエンスについて学んでみてください。

参考URL

①総務省.社会人のためのデータサイエンス入門
https://www.stat.go.jp/dss/online_index.html

②Forbes.Glassdoor’s Best Jobs In 2020 Dominated By Tech
https://www.forbes.com/sites/louiscolumbus/2020/01/15/glassdoors-best-jobs-in-2020-dominated-by-tech/?sh=36dcc0df141c

③DataScientist Society.企業が求めるデータサイエンティスト人材像
https://www.slideshare.net/DataScientist_JP/2019-235372549