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データサイエンティストに役立つ資格9選!難易度や試験内容を解説

データサイエンティストとしてキャリアアップを目指すために、どんな資格取得を目指せばよいのか、判断が難しいですよね。

本記事ではデータサイエンティストに役立つ資格について、難易度や試験内容を解説します。本記事を読めば、どんな資格を目指せばよいか判断できるようになります。

データサイエンティストとは

データサイエンティストとは、データの中からビジネスにおける課題の解決策を提案する専門家です。ビジネスのIT化が著しく進む現在、データをビジネスに有効活用できる形に変換できるデータサイエンティストは高い注目を浴びています。

データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの主な仕事内容は、下記のとおりです。

要件定義

顧客が抱えている課題や、データ分析によって何を解決したい問題のヒアリングを行い、課題内容を明確にします。

データ収集・加工・保存

課題解決に必要なデータを集め、分析しやすい形式へと加工した後、データベースへ保存します。

データ集計・分析

あらゆる角度からデータを集計、分析し、課題解決に必要なデータ特性を抽出します。

データ整理・レポート作成・課題解決策提案

データの分析結果を整理し、レポートを作成、顧客に解決策を提案します。

データサイエンティストの年収

dudaによると、データサイエンティスト全体の平均年収は約522万円です。国税が発表している日本の平均年収は467万円であるため、データサイエンティストの年収は国内でも高い水準にあるといえます。

また、IPAのIT人材白書2020によると、データサイエンティストが含まれる先端IT従事者の15.2%が、年収1000万円以上、1500万円以下と回答しています。データサイエンティストは資格取得や実務経験を重ね、スキルや知識、実績を獲得していけば高収入も見込める職種です。

データサイエンティストに役立つ資格9選と取得難易度

ここからは、データサイエンティストに役立つ資格を紹介します。実務経験なしでも取得できる資格や、合格率10%台の資格まで、資格取得難易度はさまざまです。

1. 基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IPAが実施しているITエンジニアの国家資格です。基本情報技術者試験では、ITエンジニアに必要とされる基礎的な知識や技能、実践力が問われます。

データサイエンティスト以外のIT職種から、基本譲歩技術者試験を受験する人も少なくありません。また、基礎的な内容が出題されるため、IT職種未経験から独学で資格取得も可能です。

公式HP:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験

2. データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、データベースの設計・管理に特化した試験であり、合格すると国家資格を取得できます。業務上、データベース構築を行うことの多いデータサイエンティストにとって、取得したい資格の一つです。

ただし、データベーススペシャリスト試験は、合格率20%以下の高難易度試験です。令和3年度の合格率は17.1%で、それ以前も合格率は10%台となっています。そのため、データサイエンティストとしてある程度実務経験を積んだ上で、受験することをおすすめします。

公式HP:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:データベーススペシャリスト試験

3. データサイエンティスト検定

データサイエンティスト検定は、データサイエンティストに特化した唯一の民間資格です。第1回が2021年9月に実施された新しい検定で、合格率の公表もされていないため、詳細な難易度はわかっていません。

しかし、現在検定として提供されている内容は、データサイエンティスト協会が定めるレベルの中で一番簡単なものです。そのため、データサイエンスの経験が浅い人でも取得しやすい資格と言えるでしょう。

公式HP:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会 (datascientist.or.jp)

4. 統計検定

統計検定は、一般財団法人質保証推進委員会が実施している、統計学の知識や応用力を測る検定です。統計検定には準1級を含む4級から1級までの5段階の等級があり、データサイエンスで使われる統計学の基礎知識は準1級相当とされています。

そのため、統計検定を受験する場合、準1級以上の取得を目指すとよいでしょう。ただし、準1級を受けるためには2級を合格している必要があるため、2級を受験して統計学の基礎固めをしてから準1級に挑戦しましょう。

公式HP:https://www.toukei-kentei.jp

5. 統計士・データ解析士

統計士・データ解析士は、データ解析士認定試験に合格すると得られる資格です。データ解析士認定試験を受験するには、文部科学省認定講座の「多変量解析実務講座」を受講する必要があります。

試験内容は受講内容から出題されると考えられるため、解析士・データ解析士は、統計に関する知識を講座で理解、習得した上で取得できる資格といえるでしょう。なお、多変量解析実務講座は通信講座であるため、時間や場所を選ばずに学習を進められます。

公式HP:資格認定・表彰制度 – 内閣府移行認可-一般財団法人 実務教育研究所 (jitsumu.or.jp)

6. OSS-DB技術者認定試験

OSS-DB技術者認定試験は、オープンソースデータベースに関する知識や技術力を問う試験で、合格するとIT技術者認定資格と呼ばれる民間資格を取得できます。OSS-DB技術者認定試験は、「Silver」と「Gold」の2段階のレベルで構成されており、「Silver」を合格すると「Gold」の受験が可能です。

合格率は非公開ですが、公式サイトで「Silver」「Gold」ともに、一般的な学習期間目安が2週間〜1ヶ月と定められているため、対策を怠っていなければ合格できる難易度の試験といえるでしょう。

公式HP:トップページ (oss-db.jp)

7. G検定・E資格

G検定・E資格は、機械学習をはじめとしたAI技術に関する知識を問う試験です。機械学習を用いたデータ分析を行うデータサイエンティストは、取得しておきたい資格の一つといえるでしょう。

なお、G検定はジェネラリストのための試験、E資格はエンジニアのための試験と定められているため、データサイエンティストの場合はE資格取得を目指すのが好ましいです。ただし、E資格は日本ディープラーニング協会認定のプログラムを修了しなければ受験できないため、プログラムの受講計画をしっかりと立てて資格取得を目指しましょう。

公式HP:

G検定とは – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】 (jdla.org)

E資格とは – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】 (jdla.org)

8. Python3エンジニア認定データ分析試験

Python3 エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを用いたデータ分析の基礎的な内容を問われる試験です。2020年に開始された試験で合格率も公表されていないため、詳細な難易度は不明です。

しかし、試験の運営を行う一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が、出題範囲は翔泳社出版「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」と明言しています。出題範囲が明らかで試験対策を行いやすい試験であるため、比較的合格しやすい試験であると言えるでしょう。

公式HP:データ分析試験 | Python試験・資格、データ分析試験・資格を運営する一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会のページです。 (pythonic-exam.com)

9. オラクルマスター

オラクルマスターは、日本オラクル社が提供しているオラクルデータベースの管理に関する知識や技術が問われる試験です。オラクルデータベースは非常に多くの企業、団体に使われているデータベースであるため、ITエンジニアからの人気も高い資格試験です。

オラクルマスターは、「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4段階の難易度で構成されています。シルバー以上の難易度の試験に合格すると、国際的に通用するOracle Certification Programの認定を受けられます。データサイエンティストとしてキャリアアップを狙うなら、シルバー以上の合格を狙ってみてはいかがでしょうか。

公式HP:ORACLE MASTER Portal – be an ORACLE MASTER – | オラクル認定資格制度 | Oracle University

データサイエンティストの資格取得のメリット

データサイエンティストにとって、資格取得は必須ではありません。しかし、データサイエンティストの資格取得には大きなメリットがあります。

転職・キャリアアップで有利に働く

資格を取得すると、データサイエンティストとしての転職やキャリアアップを有利に進められます。資格は知識量やスキルの証明になるものです。そのため、転職活動時に自己アピールの一つとして利用できます。また、データサイエンティストの業務には、資格が必須とされる領域もあります。

データサイエンスに関する知識の基礎固めを行える

資格取得を目指す勉強を行うと、データサイエンスに関する基礎的な知識を身につけられます。業務外でデータサイエンスに関する知識を学ぶと、その後の業務に役立つのはもちろん、他分野の業務でも活躍できるかもしれません。

データサイエンティストの資格を取るための勉強方法

データサイエンティストに関わるような、専門的な資格について学ぶ場合、独学では学びきれない可能性があります。資格取得に向けた独学以外の勉強方法として、下記の方法があげられます。

講座を受ける

資格に関連した講座を受けて、資格の勉強を進める方法があります。コロナ禍の影響も相まって、現在多くの講座がオンライン受講可能です。講座を利用すると時間や場所を選ばず、効率的に資格取得を狙えます。

学校・スクールに通う

オンライン講座だけでなく、対面式の学校やスクールも存在します。一人では勉強のモチベーションを保つのに不安がある方や、直接講師に質問したい方は、学校やスクールに通うのもよいでしょう。給付金に対応している学校やスクールもあるため、費用を抑えたい方は調べてみましょう。
 

まとめ

データサイエンティストに役立つ資格について、難易度や試験内容、資格取得によるメリット、資格取得に向けた勉強方法を解説しました。データサイエンティストとしてステップアップするために、自身の力量に合った資格取得を目指しましょう。